中国語を勉強するにしても何かとっかかりが欲しい。この何かがないと、語学学習というのはなかなか続きませんし、モチベーションを高く維持できませんからね・・・。
中国語というとどうしても学校の国語の授業で勉強した「漢文」を思い出してしまうのです。返り点を付けたり、上から下へと読み下したかと思うと、今度は下から上に上がったり、そしてまた読み下していくという作業がひたすら続く。でも、実際の中国語の勉強ではこんなことはしませんのでご安心、文章は左から右へ流れていきます。「漢文」と思わないほうがいいのかもしれません、「中国語」なんだと思えば大丈夫。
中国といえば・・・、三国志に秦の始皇帝なんて頭に浮かんでしまいますが、現代中国社会ではあまり関係がないのかもしれませんが、中国語を習うなら実用的な面のほかにも、教養としてこの人の作品は読んだほうがいいと思うんですよね・・・
孫子 ※ちなみにピンイン表記すると、sūn zǐ
この孫子、じっくりその思想を読んでみると奥が深いんですよね。宗教や哲学よりもかなり実用的なロジックを内包しています。その内奥深くから「人生、絶対勝たなあ~あかん」というメッセージが聞こえてきます。でも、勝つにはどうしたらよいのか。そのあたりが今まで読んで親しんできた西洋哲学やら宗教書とは一味違うんです。とにかく主体的。落ち込んでいるときや先行きに不安を感じてしまったときに、孫子のメッセージは気合が入りますよ・・・。
原文の中国語(簡体字ではなく繁体字になりますけど・・・)、それからピンイン表記したもの、ついでに英訳したものを並べて置きます。ピンイン変換には-どんと来い、中国語(www.gakira.com)のサイト、英訳はこちらのサイト(www.chinapage.com)を参照させていただきました。
原文
孫子曰:兵者,國之大事,死生之地,存亡之道,不可不察也。
ピンイン
sūnzǐ yuē : bīngzhě, guó zhī dàshì,sǐshēng zhī dì,cúnwáng zhī dào,bù kě bù chá yě
孫 子 曰 : 兵 者 ,國 之 大 事 , 死 生 之 地 , 存 亡 之 道 , 不 可 不 察 也。
英訳
Sun Tzu said: The art of war is of vital importance to the State.
It is a matter of life and death, a road either to safety or to ruin. Hence it is a subject of inquiry which can on no account be neglected.
「國」をわたしと読みかえてみると、結構こころに響いてくるんじゃないでしょうか。孫子は春秋時代の人。秦の始皇帝より前の人だといえば、ピンとくるんじゃないでしょうか。世は戦国。その時代に生まれた思想ですが、現代でも十分通用しますね。昔も今も人間の感受性はそれほど変わらないんだなあと・・・。
今回扱ったセンテンスを自分なりにアレンジしてみると・・・
生活は家計の一大事である。家族の生死に関わることだから、子供や自分の将来のことをしっかり見越して働かなくちゃいけませんよ-なんて読み取ってしまいましたが、孫子の哲学は内向きではないのです。あくまで自分がまずあって、前に立ちはだかる困難をいかに自分有利に・・・(言葉はちょっと悪いですが)自分に都合よく乗り越えて行くのか)。
中国の古典というと「論語」というイメージですが、人生の難局打破には「孫子」がお勧め!!