南北首脳会談について日本の韓国語と韓国の韓国語で見てみる

 韓国語を勉強していて中級から上級に入ると時事ネタが積極的に入ってきます。それからその時事ネタに対して韓国語で意見や感想を述べたり、はたまたディベートをしなければなりません。そんなとき今回の韓国と北朝鮮の南北首脳会談は、必ずディベートの命題となることは間違いなし。そして歴史的にも私たちの記憶に残る出来事のひとつになるでしょう。韓国と北朝鮮は同じ民族とはいっても、国の体制が違うので言葉の面でも少しずつ変化がおこっているんですよね。韓国では李はリではなくてイ・盧はロではなくてノと頭のラ行は読みませんが、北朝鮮は李はリと読むそうです。朝鮮語といったり、韓国語といったりもしますからね。ちなみに韓国では北朝鮮ことを북한(北韓)と表記します。

 日本の新聞と韓国の新聞の見出しはどうでしたでしょうか。まずはNHK World Daily Newsから・・・。

 노무현 한국 대통령 평양 도착, 김 총비서가 직접 영접
 
 うえの記事に漢字を入れてみます。
 
 盧武鉉 韓国 大統領 平壌 到着、 金 総秘書 直接 迎接

 金総秘書という言い方が耳慣れないので韓国のサイトにあるNaverというところの辞書で調べてみます。

 총비서 總祕書
 [명사][북한어]<정치> ※日訳-[名詞][北韓語]<政治>
 1 노동당 중앙 위원회의 총책임자. ※日訳-労働党中央委員会の総責任者
 2 '총서기'의 북한어. ※日訳-'総書記'の 北韓語

 북한어は北韓国語、つまり北朝鮮で使用する言葉ということでしょう。

 次に韓国の新聞、中央日報から・・・。

 노대통령 평양도착…김위원장 직접 영접

 うえの記事に漢字を入れてみます。

 盧大統領 平壌到着・・・金委員長 直接 迎接

 
ここでは金委員長ですね。いろいろと表現の仕方はありそうです。김정일 북한 국방위원장(金正日 北韓 国防委員長)なんて表現もありました。

 韓国、北朝鮮、日本、ベトナムには文明語の漢字語がたくさん入っていますので、漢字の繁体字を使ってのコミュニケーションもまんざらできないことも無いんじゃないかと、ハングル文字に漢字を入れて読んでいると、時々そう思うことがあります・・・。