そういうわけで、「今日のポイント」のところで間接他動詞というのが出てきましたね。テキストには「前置詞を介して目的語を取る動詞を間接他動詞といいます」と書いてありましたが、前置詞を介さないで目的語を取ってはいけないの(?)と疑問に思ってしまったしだい・・・。文法用語を聞いてもいまいちよくわかりませんし、かといってあーそうですかと聞き流すわけにもいかないので、いったい何がどう違って、前置詞のあるないので意味がどう変わるのか、ちょっと調べてみましょう。
今日のポイントのところにありました「penser à : ~のことを考える」を例に見てみましょう。前置詞の「à」が日本語の「~のことを」に当たるのでしょうが、その微妙なニュアンスというのか心が分かりませんね。手元にあります文法書「Grammaire Du Francais: Cours De Civilisation Francaise De LA Sorbonne」に例文が載っていましたので、例文を見ながらその心とやらを理解してみましょう。
Un même verbe peut avoir plusieurs constructions.
Elles entraînent parfois un changement de sens.
PENSER
-Elle pense à sa famille.
-Pense à me rapporter mon livre.
(= N'ouble pas de...)
-Je pense acheter une nouvelle voiture.
(= J'envisage d'acheter...)
-Que pensez-vous de ce journal?
(= Quelle est votre opinion sur...)
-Je pense que c'est un excellent journal.
(= Mon opinion est que...)
「pense acheter」のpenseの意味するところは「avoir l'intention, avoir en vue de」でシノニムは「compter」(Le Robert Micro)。日本では「思う」で片付けてしまいますけどね。
「pense à」と「pense que」の意味の違いが微妙によく分からないので、「Le Robert Micro」で調べてみます。
penser à - appliquer sa réflexion, son attention à
penser que - croire, avoir l'idée, la conviction que.
「penser à」だと考える対象が絞り込まれている感じですね。「どうしたの? そんな暗い顔して・・・-明日の入試のこと考えていたの」といったところなのかな。
「penser que」だと「国語の読解力つけるのに何かいいテキストない?-朝日新聞の天声人語がいいみたいよ」なんて調子で使えるのかな。
なんとなくモヤッとしたものが消えた感じ。あまり文法ばかりにこだわると会話が上達しませんが、フランス語のテキストを奥深く読みこなすのとそのテキストの言いたいことをよく理解するには、àとqueの違いを知っているのと知らないとでは大違い!! 特に翻訳したりするときなどは要注意なんです。
先ほど紹介しました文法書「Grammaire Du Francais: Cours De Civilisation Francaise De LA Sorbonne」はソルボンヌ大学の語学講座(Les Cours de Civilisation Française de la Sorbonne)で使用した物です。
ちなみに教材は「Exercons-nous: 350 Exercices De Grammaire - Livre De L'eleve Niveau Superieur I」を使用しました。
ぜひトライしてみたいというみなさん、答案「Exercons-nous: 350 Exercices De Grammaire - Corrige Niveau Superieur I」もありますのでご心配なく!
それから授業の中で文学書の読み合わせというのもありました。その時使った教材は「Zadig, ou, La destinee (Garnier-Flammarion)」。さすがはソルボンヌ。ソルボンヌたる所以といったところ。文学は外せないか・・・。
この本を書いたのはヴォルテール(Voltaire)。フランス革命前にこうした知識人たちの活躍と智の蓄積があったわけですね。今のフランス人のナショナルキャラはこの時代にできたと言っても過言でない・・・(それはちょっと大げさかな^^;)