【NHKラジオまいにちフランス語】12月24日予習講座-中級から上級への道・・・代名動詞と代名動詞ではない場合の意味の違いについてじっくり味わってみる

 NHKラジオまいにちフランス語講座の入門編が今年は終了しましたね。まったくの初心者の方からちょっとかじったことのある方、初級レベルの方まで、毎日の学習のなかでなんだかすっきりしないなあ~と思った方は多いはず・・・。

 すっきりしないなあ~、なんだかよく分からないなあ~とモヤモヤ。どの言語も文法事項には例外がある、だから覚えるしかないと言われても、それもなんだかすっきりこない。理屈じゃないんだよ・・・と言われても困ってしまいますよね。

 NHKラジオまいにちフランス語のLeçon39の12月24日付の講座の「今日のポイント」の所に「代名動詞1」というのがありました。1ということは2もあるということなんですけどね(後3と4もあるかと思いますが・・・その事についてはまたご紹介したいと思っています)。

 まずはテキストにどんなことが書かれているのか、引用させていただきましてちょっと読んでみましょう。
 
主語と同じものをさす補語人称代名詞(これを再帰代名詞といいます)をともなって活用する動詞を代名動詞といいます。例えば、
Elle s'intéresse à l'ukiyoe.
の文で、intéresserは「興味をもたせる」という意味の他動詞ですが、この前にse(s')という、主語と同じものをさす代名詞をともなって「彼女は自分に興味をもたせる」という意味を「興味をもつ」という意味に変えて成立するのがs'intéresserという代名詞です。

 一度で読んで理解するのが億劫な時は、例文を見てみるのが一番!! ちなみに代名動詞はフランス語で「verbe pronominal」、再帰代名詞は「pronoms réfléchi」。今回紹介されている「代名動詞1」というのは、"再帰の意味"での代名動詞(verbe pronominal de sens réfléchi)ということになるかと思われます。

 テキストの例文は3つありまして、まずはひとつ目。
Je me couche vers dix heures. 私は10時頃寝ます。

 この場合の微妙なニュアンスというのは、自分が自分を寝かしつけているということですね。再帰代名詞(pronoms réfléchi)の意味するところとは何(?)、その定義とは・・・

 Pronom indiquant qu'une action est réalisée par le sujet lui-même.

 主語が自ら実現したアクション。自分が自分を寝かしつけることはこれに該当しますね。

 それでは、再帰代名動詞的な使われ方以外の方法も「coucher」にはあるはず。分かりやすい例を挙げると・・・

 Ma mère me couche. 母がわたしを寝かせる。

 二番目の例文は・・・
je me lève à huit heures du matin. 私は朝8時に起きます。

 自分を自分で起こすということですが、その微妙なニュアンスを勝手に想像すると、目覚まし時計を8時にセットしてちゃんと自分で起きる。でも、そんなに毎日規則正しく起きれるわけではありませんよね。特に家族で同居している人(学生さん)などはお母さんが起こしてくれるんじゃないのかなあ・・・

 ma mere me leve.

 三番目の例文は・・・
je me promène tous les matins. 私は毎朝散歩をします。

 再帰的なイメージでこのテキストを眺めてみると、健康のため、ダイエットのため、メタボリック解消のためなど、自分の意志で前へ前へ歩いて進んでいく感じ。

 でもそういう人ばかりではなくて、愛犬が朝からご主人さんを待ちかまえている場合だってありますよね。お犬さんは散歩に行きたくてしかたがない。こちらとしたら朝も寒いし眠たいし、布団の中でじっとしていたいなあ・・・。でもワンワン吠えて呼んでいるようなので、面倒だけど犬の散歩に行くかと消極的な意味合いで「promener」使う場合の例文は・・・

 mon chien me promène.

 積極的な意味合いでは再帰を使ったこんな例文も考えられますね・・・

 je me promène avec mon chien.

 微妙な意味の違いなんですけど、その辺りまで読み込むと、相手の話している言葉の中に含まれた心の襞のようなものが理解できて、ぐっと語学のレベルが上がった気分になれますよ。

 検定試験の穴埋めの問題で「Je ( ) promène」とあって、すぐに「me」と入れてしまいたいところですが、例えば下のような問題があったら・・・

 J'ai un chien. Je ( ) promène tous les matins.

 あまりこういう問題は出題されないと思いますが、前後のテキストの流れから考えて、ここはlui(un chien)にしたいところ。

 日本では飼い犬(雄の場合)のことを彼とは表現しませんが、あちらの言語では彼と表現できるんですよね。例えばこんな例文・・・

 J’ai un chien. Il est noir et blanc.

 今日のまとめ

 代名動詞の再帰代名詞を使った場合の意味するところは・・・

 他からの影響を受けずに、自分が自分で起こしたアクション

 う・・・ん、あまりすっきりこないなあ(^^;)