韓国ドラマ「太王四神記」を見る前にちょっと歴史のお勉強

 韓国語の学習に韓国ドラマを見ることも欠かせませんよね。太王四神記(太王四神紀)(태왕사신기)がNHK BSハイビジョンで12月3日から毎週月曜日午後10時から放映される予定だそうです。どんなドラマかといえば、ヨン様主演の広開土大王の一代記。大河ドラマとはちょっと違いますが、歴史ファンタジーといったところでしょうか。広開土大王といえば広開土王の碑文が有名ですが、どこの国の王様かと言えば、高句麗。韓国語での読み方は고구려(コグリョ)。日本とも因縁の深い国ですから、今から見るのが楽しみです。

 高句麗と聞くと聞くとなぜか疼いてしまいます。高校時代を過ごした松本市に須々木水神社(すすきがわじんじゃ)というところがあって、渡来人(高句麗系)の卦婁(ケル)氏を祭っているともいわれており、近くを薄川(すすきがわ)が流れています。今回このドラマのことを耳にして、高句麗といえば・・・と思ってしまったわけでして・・・。

 ところでその卦婁(ケル)さんとはいったい何者なんでしょうか。日本後紀にこんな記事が載っています。訓読しながら少々引用してみます。

 十二月甲戌、又信濃国の人外位六位下卦婁眞老・後部黒足・前部黒麻呂・・・高麗家継・高麗継楯・・・等言す。己等の先は高麗人なり。小治田・飛鳥の二朝廷の時節に、帰化来朝す。それより以還、累世平民にして、未だ本号を改めず。伏して望むらくは、・・・大姓に改めんことをと。眞老等に姓を須々岐、黒足等に姓を豊岡、黒麻呂に姓を村上、・・・家継等に姓を御井、・・・と賜ふ。

 ではさっそく韓国のサイトNaverの백과사전で卦婁(ケル)さんを調べてみます。韓国語の表記ですと계루부(ケルブ)桂婁部になります。

 계루부(桂婁部)

 고구려 5부(五部) 중의 하나로 왕족을 배출하였다.

 高句麗の5部のうちのひとつで王族を輩出した。

 고구려의 정치적 기반으로는 소노부(消奴部)·계루부(桂婁部)·절노부(絶奴部)·순노부(順奴部)·관노부(灌奴部)의 5부족 연맹의 조직을 들 수 있다.

 高句麗の政治的基盤には、消奴部・桂婁部・絶奴部・順奴部・灌奴部の5部族連盟の組織をあげることができる。

 내부(內部)·황부(黃部)라고도 한다. 고구려 5부의 중심을 이루었다. 처음에는 소노부(消奴部)에서 왕위를 차지하다가 AD 53년 즉위한 제6대 태조왕(太祖王) 때부터 왕위교체가 이루어졌다.

 內部・黃部とも言う。高句麗5部の中核を担った。最初消奴部から王位を立てていたが、紀元前53年即位した第6代太祖王の時から王位が交代するようになった。

 王族だったんですね。でもなんで松本なんかにいるんだろう・・・。

 長野県は高句麗式の古墳がたくさんあるとも言われていて、ある歴史家によれば高句麗王国といってもよいんじゃないかと・・・。それだけ高句麗とは因縁が深いんですよね。

 高句麗を追われた人々のなかでは中国東北部へいって後の渤海国をつくったひともいれば、日本に難を逃れて渡来して来た人もいるんですよね。太王四神記をより深く楽しむには、古代史の本を読んでみたり、近くの神社の縁起や祭っている神様を調べてみるとおもしろいかもしれませんよ。祭神にスサノウノミコトとあれば渡来人系であるんじゃないかと、どこかの本で読んだ記憶があります。