外国語の学習でいちばん頭を痛めるのが、慣用句。慣用句はその国に生活してみないとなかなか理解しがたい表現です。覚えてみたところで心で感じられないんですよね、慣用句の奥にある深い意味が・・・。日頃韓国語の勉強をしていると日本語と似ている部分が多いので、ついつい分かった気になってしまいますが、韓国語の世界に入っていけば行くほど、奥の深さに迷子になりそうです。
今回は韓国語の慣用句を見てみたいと思います。cyber.jungchul.comのサイトにある일본어자율학습の中の단어という項目にある-「안경을 쓰다(メガネをかける)」を見てみます。
まずは原文を見てみましょう。
안경을 일본어로 眼鏡(めがね)라고 하는데요. '걸다'라는 뜻을 가진
かける를 사용하여 안경을 쓰다라는 관용구가 됩니다.
簡単に日本語へ翻訳してみると・・・。
眼鏡(アンギョン)を日本語で眼鏡(めがね)と言いますが、「걸다(コルダ)」という意味のある「かける」を使用し、안경을 쓰다(メガネをかける)という慣用句になります。
日本語ではメガネをかけると言いますが、韓国語では안경을 쓰다-ニュアンスは目をメガネで覆う感じになるんですね。イメージがいまいち沸いてこない時は、日本語で調べるよりも英語で調べてみると単語のイメージがつかみやすいときがあります。韓国のサイトにあるNaverの영어사전(英語辞典)で調べてみます。
쓰다【착용(着用)하다】put on、wear、cover
この単語をみるとなるほどっと来ますね。put onはかける動作を表している感じですし、coverは目を覆っている感じですものね。ちなみに일어사전(日語辞典)を引いてみると、쓰다という単語のニュアンスは覆う(cover)するが原義で、そこから意味が派生していく感じです。たとえば、
방한모를 쓰다-防寒帽をかぶるは、頭を防止で覆う感じ。
안경을 쓰다-眼鏡をかけるは、目を覆う感じ。
방독면을 쓰다-防毒マスクをつけるは、口を覆う感じ。
양산을 쓰다-傘をさすは、からだ全体を傘で覆う感じ。
가면을 쓰다-仮面をかぶるは、顔全体を覆う。
私たちがメガネをかけると言いたい場合には機械的に걸다を使ってしまいそうですが、걸다のニュアンスは掛ける意味があっても、걸다した後の状態はつる下がっている感じなんですね。쓰다した後の状態は覆われている感じなんですね。ここで感じたのは動作に主眼が置かれているのではなく、動作後の状態を表しているということですね。韓国語の動詞は英語で調べたほうが、具体的なニュアンスがつかみやすいような気もしないではありませんね。韓国語と日本語が似ているといっても、同じ漢字文化圏に入っていただけで、感性の部分は根本的に違うような気もします。語学の学習といっても機械的にはマスターできるでしょうし相手の言っていることも大体理解はできるようにはなりますが、感性の世界といいますか言葉の微妙な襞のようなものに出会うたびに、越えがたい壁のようなものを感じてしまいますね、一種の諦めのようなものですか・・・。といっても文学が存在するうちは希望をもっていましょう。