韓国語上級を目指して、ちょっと難しいテキストを読む前に予備知識を頭にインプットしておく

 韓国語を勉強していくうちに避けては通れないのが、韓国という国の存在それ自体を支えているものを知らないといけないなあと・・・。言葉というのは突き詰めて考えれば単なる記号でしかありませんが、言葉という文字のなかにその民族でしか語ることの出来ないオリジナリティーな精神風土が潜んでいるわけで、韓国語ならハングル文字を読みながら感動したり、傷ついたり、笑ったりできるようになれば、ひとまず韓国語というものが自分の血肉になったのかなあと思ったりも・・・。

 外国の情報というのはその国の言語を知らなければフィルターを通すしかありませんが、どうしても伝えてくれる側の何かが情報に付着してしまっているようで、本来の意図とはちょっと違うんじゃないかと・・・。そう思ったのは日本の学者さんたちが本などで引用するもとの外国語の記事。自分の想像していた文言の意味と学者さんの意図との乖離があるんですよね。原文をパラグラフやセンテンス単位で読むとちょっと違うような気もしないでもありません。そこで奮起!! いったい全体それが何て書かれているんだとまず外国語を勉強して、直接その原文にあたってみる、その結果自分だけの情報が得られる。苦労は多いですけど、それが外国語を習得するメリットでもありますけどね・・・。

 さてと韓国を知るという作業ですが、今日紹介しますものは日本でも情報がたくさんありますし、日本語で調べればすぐ分かるものですが、ここはあえて韓国のサイトから情報を仕入れてみたいと思います。韓国語の勉強ということもありますが、日本では得られない貴重な情報が拾える可能性がありますし、現地には情報が山のようにあるので感動します。

 韓国が韓国であるひとつはこれでしょう-族譜(족보)、本貫(본관)、돌림자항렬자(行列字)。これらの言葉を耳にするたびに、これぞ韓国だなあと思ってしまいます。それでは、韓国のサイト(?)「흑룡강코리언(www.873k.com)」から少々引用させていただきます。

 族譜(족보)
 옛날에 우리 민족의 가정에는 족보라는 것이 있었다.족보는 부계를 중심으로 혈연관계를 도표식으로 나타낸 책으로서 그것은 일가의 력사를 표시한 것이고 가계의 련속을 실증한 것이다.
※력사と頭が「ㄹ」で始まるので韓国のサイトではないかもしれませんがあしからず・・・。

 ※昔、我が民族の家庭には族譜があった。族譜は父系を中心に血縁関係を図表の形式で現わした本で、それは一家の歴史を表示したもので家系の繋がりを証明するものだ。

 いわゆる系図の類だと思いますが、日本では一般の家庭にはあまりありませんけど、ご先祖様が殿様だったりお侍さんなどの家では持ってますよね。

 本貫(본관)
 본관은 원래 씨족의 분지(分支)의 시원을 밝히는데서 발단한 것이였는데 그후에 와서 점차적으로 매개인의 시조(始祖)의 발상지를 표시하는 것으로 되였다. 조선민족은 그 성씨에 따라 여러가지 본관을 가지고있는데 일부 성씨의 본관수(本貫數)를 헤아려 보면 다음과 같다.
김씨—500본、리씨—470본、박씨--413본、최씨—326본、정씨—210본、강(姜)—104본、조(趙)—210본、윤씨—140본、장씨—246본、림씨—216본

 ※本貫は元々氏族の分岐の始まりを明らかにすることから発達したものであるが、その後徐々に支族の始祖の発祥地を表示するものになった。朝鮮民族はその氏姓によってさまざまな本貫を持っているが、一部姓氏の本貫数を数えてみると次のようになる。
 金氏—500本、李氏—470本、朴氏-413本、崔氏—326本、鄭氏—210本、姜—104本、趙—210本、尹氏—140本、張氏—246本、林氏—216本

 金さんという苗字は韓国に多いですが、金さんは金さんでも出自がさまざまなんですね。풍산김씨(豊山金氏)、평택김씨(平澤金氏)、풍기김씨(豊基金氏)などなど。 それで풍산김씨(豊山金氏)さんの場合、시조(始祖)が김문적(金文迪)というお方。どんな人かというと・・・

 시조 김문적(文迪)은 김알지(金閼智)의 12세손[또는 후손이라고 하지만 몇 세손인지는 알 수가 없다.]이다.
 ※始祖キム・ムンジョク(金文迪)は、キム・アルジ(金閼智)の12世孫<または子孫だと言われているが何世孫かは分からない>だ。(성씨정보..com(www.surname.info)より)

 성씨정보..com(www.surname.info)をみていると金さんのほかにも、なになに朴さん、なになに崔さんなどの情報がたくさん見れますよ。とにかくその数の多さにビックリ!!

 さらに続けまして、今度はトルリムチャ(돌림자)。ハンニョルチャ(항렬자-行列字)とも言うようですが、それってどういう意味? さっそく調べてみましょう。

 돌림자-親戚間の同じ親等を表わすために名前に用いる共通の文字。=항렬자(行列字)(NAVERより)

 항렬자(行列字)-世数関係係を表わすために名前の二字の中に入れて使う一字。(NAVERより)

 ちなみにいま手元にある韓国語の教材のなかには、「一族の同じ世代に共通して用いられる字で、これによって始祖から何代目かが分かる」と書いてありました。親戚やいとこもみんな同じ字が名前に付いているということなんでしょう・・・。

 それから、Googleの検索ボックスに「Koreanname」と入れて検索したら、こんな感じで説明がありましたよ・・・

 Traditionally, given names for males are partly determined by generation names, a custom originating in China. One of the two characters in a given name is unique to the individual, while the other is shared by all people in a family generation.(Wiki维客より)

 generation nameは(항렬자・돌림자)のことをいい、middle nameともいうようです。。ヨンさまでしたら-ペ・ヨンジュン배용준、こちらを漢字表記すると「裵勇俊」。「勇」がgeneration nameで、「俊」がgiven nameということですね。ヨンさま世代はみんな「勇」が付いているんでしょうというよりも、絶対付いているんですね。

 さきほど紹介した풍산김씨(豊山金氏)の場合はこうなります・・・

 豊山金氏のハンニョルチャ(行列表)
 21세(世)-상(相)
 22세-종(宗)
 23세-중(重)
 24세-규(奎)、흠(欽)
 25세-락(洛)
 26세-병(秉)、수(秀)
 27세-섭(燮)
 28세-재(在)、재(載)、재(裁)
 29세-현(鉉)
 30세-연(淵)
 31세-동(東)、주(柱)
 32세-환(煥)

 で・・・ここまでの予備知識を基に韓国語の上級テキストを読んでいこうかと最初に思っていたんですが、少々長くなってしまいましたので次回のブログということであしからず。トルリムチャ(돌림자)とハンニョルチャ(항렬자-行列字)のことは忘れず覚えておいてくださいね。