中国語の表意文字という特性を考慮しながら、単語の意味を考えてみる

 共同网(china.kyodo.co.jp)という中国語の新聞を見ていたらパンダの写真が掲載されていて、20年以上前に上野動物園で見たパンダの姿が、断片的な記憶とともに蘇ってきました。パンダの名前はランランなのかリンリンでしたか忘れてしまいましたが、ガラス張りの檻を通して、じっくり見物なのどいう状態ではなく、本当に一瞬その姿を見れただけでしたけど・・・。

 新聞記事のタイトル「大熊猫“玲玲”将接受治疗」というテキストだけを見て一瞬なんのことやら分からなかったのですが、新聞記事の写真から、「大熊猫」というのはおそらく「パンダ」に違いない。パンダの名前って2文字が多いですよね。その横の「玲玲」はおそらく名前であろうと。写真と記憶と想像力でなんとなく類推できますね。

 「大熊猫」はいったい中国語でどう読むんでしょうか。「パンダ」とは読まないような気がするんですけど・・・。中国のサイトにあります無料辞書「dict.cn」でちょっと調べてみましょう。

 大熊猫 : [ dà xióng māo ]
 1. giant panda

 ピンイン表記すると「dà xióng māo」なので、中国語での読みはパンダではありませんでした。

 「大(dà)」・・・デカイ、「熊(xióng)」・・・クマというのは分かるような気がするんですけど、「猫(māo)」と最後に来るのはパンダがネコ科の動物という意味なんでしょうか。Googleの検索ボックスに「パンダ ネコ科」と入力して調べてみましょう。

 Yahoo!知恵袋というところにその答えがありましたが、「哺乳綱ネコ目(食肉目)クマ科に属する動物で、ご質問のような「ネコ科」ではありません。中国では熊猫‧熊貓または大熊猫と呼ばれていますから誤解されることがあります」ということですので、ネコとは関係がなさそうですね。

 猫でなければ、「ネコ目」というところにしかネコが見出せない。「ネコ目」をWikipediaで調べてみます。

 ネコ目(ねこもく)は脊椎動物亜門 哺乳綱に属する動物の分類単位。食肉目(しょくにくもく)、食肉類(しょくにくるい)ともいう。

 動物を分類する単位・・・。

 ネコ目は、真獣類のうちで、肉を裂くためのハサミ状の頬歯である裂肉歯を1対もつもの(およびその子孫)のグループと定義することもできる。現生の海棲のグループ(いわゆる鰭脚類)では、裂肉歯は失われている。ネコ目に属するほとんどすべての動物が肉食であるが、部分的には雑食性の種も見られ、特にタケを主食とするジャイアントパンダやレッサーパンダなどはほぼ完全な食植生である。

 伝統的な分類というところに、「ネコ亜目(裂脚亜目・裂脚類、Fissipedia)」とありまして・・・

 クマ科 (Ursidae): 6属10種。クマ類とジャイアントパンダ。
 ネコ科 (Felidae): 4属37種。ヤマネコ、イエネコ、トラ、ライオン、ヒョウなど。

 つまり、ネコとパンダは同じ範疇に入るということですね。

 「大熊猫」の「猫」は「ネコ亜目」の「猫」ということで勝手にこじつけてしまいましたが、表意文字もそこまで意味を表意しているんでしょうか、ちょっと違うような気もしないではありませんけど・・・。