無料独学フランス語講座・・・実践会話篇(BonjourとSalut&TuとVous&Au revoirとCiao)

 フランスへ語学留学する前にフランス語の通信教育の初級を1年ほど勉強して翌年フランスへ行きましたが、現地に行って実際にフランス語を使う段階になって、日本で教わったことはそのほとんどを無駄とは言わないまでも・・・、あれ~聞くと見るとでは全然違うぞ~と。悲しいけれど、日本で覚えたフレーズは残念ながらあまり使い物にならず・・・。フランスにはフランスのフランス語があるということに気づき、それを理解するのと受け入れるのに少々時間が必要でしたね。

 フランス語の二人称に「Tu」と「Vous」がありますが、語学学校の生徒同士なら100%「Tu」。初対面だから「Vous」かなあと思いきや、「Vous」を使うとものすごく遠ざけている感じというのか、よそよそしいんですよね。その場の空気が少々曇ってきてるなあと感じてしまいます。「Vous」は立場上自分より上の人、たとえば語学学校だと先生に使ってましたね。それと「Madame」。「先生・・・」と日本語的な意味でいうところは、「Madame・・・」と言ったほうがフランス的です。

 ※補足として、新幹線や特急列車に乗っているとコーヒーやお弁当などを売りにきますが、日本ですと「お弁当、お茶、コーヒー、ビール、おつまみはいかがでしょうか・・・」という感じで売り歩きますが、フランスですと、「Madame et Monsieur(マダム・エ・ムッシュー)-(複数形の(Mesdames et Messieurs-メダム・エ・メッシュー)かもしれません)」としか言ってませんでしたね。

 「Bonjour(ボンジュール)」はお馴染みの挨拶ですが、これはフランス社会で生活するなら、一日中使いっぱなし。スーパーのレジに入る前には必ず、「Bonjour(ボンジュール)」。パン屋さんでパンを買う前にも、「Bonjour(ボンジュール)」。で、必ず買い物を済ませてお釣りをもらうときは、「Merci(メルシー・・・※Thank youの意味)」と言って、最後に「Au revoir(オル・ボワール・・・※Good byeの意味ですが、日本語にそのまま訳すと雰囲気が違いますかね・・・。実際の発音はオッバーって感じで聞こえます)」と言ってレジを去る。日本ではいう必要がないかもしれませんが、フランスへ行っていたときの癖が抜けずに、日本のレジでも「ありがとう」と言ってますが、さすがに「さようなら」は行ってませんけど・・・(^^)。

 例外的に「Bonjour(ボンジュール)」をあまり使わなかったのが、Cafe(カフェ)。席に着いてしばらくすると注文にきますが、「Un cafe(アン・カフェ)」と言ったぐらい。日本の教材ですとよく「s'il vous plait(シル・ブ・プレ)」を付けますが、実際お客さんでこれを言っている人を聞いたことがありませんでした。感謝の気持ちを表すのに黙ってチップを置いて去るものかと思いきや、チップを置くほどフランス人って裕福な人が少ない感じでしたので(実際生活してみるとそう感じます・・・)、まあチップというのは義務ではなさそう。
 ※ちなみに、日本ではフランスを超豪華、セレブの視点で紹介することが多いような気がするんですが、現実とはかなりズレがあるような気がするんですよね。生活してみると泥臭い部分が非常に多いのです。そして毎日なんとなく緊張感がある。日本で暮らしている感じの安心感というのがないのかなあ・・・。

 Salut(サリュー)は日常生活の中では、語学学校の生徒のような仲間うちに使う程度。ニュアンス的には「ヨッ!」という感じなんですよね。実際生活してみて、その場の空気などを思い浮かべるとそういう感じがしました。仲のいい人とかに「こんにちは」って丁寧に挨拶しませんものね・・・。

 フランスで生活を始めたのは南フランスのモンペリエというところでしたが、パリとは文化的にはちょっと違う感じがしましたね。歴史を調べれば納得というところですが、別れ際に「じゃーまたね」の常套句、フランス語ですとさきほどもふれましたが「Au revoir」、モンペリエに住んでいた頃はどちらかというと「Ciao(チャオ)」のほうを使うのと耳にするのが多かったような気もします。あれ、「Ciao(チャオ)」ってイタリア語じゃなかったけ・・・と思いましたが、こんなところにも歴史が深く関与しているんだなあ~と。町の景色も南フランスはラテン(latin)系なんですよね。全体的にオレンジ色。フランスの新幹線(TGV)の色もそれに合わしたどうかわかりませんが、オレンジ色。パリの灰色っぽい感じとはちょっと違う。さらに北に行けば黒っぽく感じますね、町の景色や建物の色なんかも。

 フランス語といっても、同じフランス語圏でも違うんでしょうね。カナダのフランス語、スイスのフランス語等々。英語もそうですものね、イギリス英語にアメリカ英語。文化が違えば言葉も変わるんですよね。

 仕事で使う語学と生活で使う語学は違うような気がしますね。仕事で使うものはあくまでもツールとしてのもの。生活で使うものは語学という感覚がなくなって、知らないうちにその言葉で考えたり喋ったり説明したりしているんですよね。フランス語で尋ねられて、フランス語で答えている。ある日、そうしている自分に気づいて、あれ今フランス語で説明していたぞと。そういう瞬間は、ある日突然やってくるんですよね。